匠の土づくり講座 22

14.10.27



連載22 「土壌診断④ 土の胃袋-CECは保肥力の目安」


土の胃袋で説明したことのあるCEC(陽イオン交換容量)も重要な

土壌診断項目の一つです。



この値は土壌によって異なります。砂質土壌で5程度、粘土や腐植を多く含む

土壌で40程度です。

CECが大きい土壌ほど肥料を持つ力が強いということなので、

農作物をつくる土としては、15程度が望ましいと言われています。


土壌のCECを高めるためには、堆肥や土壌改良資材の投入が有効です。

堆肥では牛ふん堆肥を10アールに4トン程度。

土壌改良資材であればゼオライトがよく知られています。

ゼオライトは海底に溜まった火山灰が変質してできた天然鉱物で、

日本では主に秋田県などの東北地方で採掘が可能です。

そのCECは150~200にも及びます。火山大国日本ならではの天然資源です。


ゼオライトはCECを高める目的で施用されることが多く、10アールあたり1トン

の施用で土壌のCECが1増加するので、計算のし易い資材です。

少し金額が高いので一度に施用することは避け、ゆっくりと改良していくことが経済的です。

一方、牛ふん堆肥のCECは80程度のものが多く、ゼオライトに比べれば少ないものの、

土壌に比べれば高いCECがあります。



いずれにしても、土壌のCECは15程度以上が望ましく、

10以下のときには土壌診断の結果から土壌改良資材をしっかり施用

することが土づくりには大切です。