匠の土づくり講座 6

13.06.27



連載 6「土を知ろう③ 土にも胃袋がある!」



 

人間は多くの臓器で構成されています。中でも食事の後に一生懸命に働く器官が「胃」です。

胃が満足(満腹は頭で感じるのですが、比喩です。)できる食事の量は個人によってさまざまです。

 

実は、土にも人間と同じように「胃」が存在します。有機質肥料などの養分を貯える性質とお考えください。

 

一般的には、これらを私たちは「肥(こえ)持ち」と呼んでいます。

正しい用語としては、保肥力(ほひりょく)やCEC(シーイーシー)という英語の頭文字が使われています。

土壌が養分を貯える力の源は、少し難しいのですが、粘土鉱物と腐植です。間接的には土壌微生物も

関与していると考えられているそうです。では、どのように蓄えているのか考えてみましょう。


少し掘り下げるので、難しい表現もありますが、土(粘土鉱物)の表面は磁石のマイナス

になっているそうです。


土に撒かれる窒素やリン酸などの肥料成分は水に溶けるとプラスになる性質を持っているので、

この粘土鉱物のマイナスに引っ付きます。磁石の原理ですね。マイナスの大きさが土壌によって

異なるので、肥料成分が流れやすい土や、流れにくい土があると考えてください。土壌を勉強

するといろいろなことがわかってきますね。


ちなみに、作物を作る場合の土壌のCEC目標値は15以上と考え、極端に少ない場合

は有機質肥料や土壌改良資材を投入するなどの対策を行うことになります。