匠の土づくり講座 8

13.08.20

連載 8「土を知ろう⑤ 土のペーハー」

 

皆さんの多くは日本の土壌が酸性であることは良くご存知のことと思います。

酸性と言っても土を舐めて、梅干しのように酸っぱいわけではありません。

日本の土は、どうして酸性になってしまうのでしょうか。

その理由は、日本は雨が多いからと答える人も多いことでしょう。


土の酸性は、「pH:ペーハー」と呼ばれる値で示されますが、

実はこの言葉はドイツ語であるため現在では、英語読みの「ピーエイチ」

が正しい呼び名として使われています。


一般化学の世界では、pH7を中性、7未満を酸性、7以上をアルカリ性と

いいますが、農業の世界ではpH6.5程度が中性で、6以下を酸性としています。

これは、多くの作物がpH6~6.5で最も生育が良く、それ以上ではホウ素などの

微量要素欠乏が発生する可能性があるからなのです。

土壌の酸性を測定するためには、土壌の水懸濁液(けんだくえき)のpHを測る

のですが、塩化カリウムを用いて測定する場合があり、この値は水で測定する

数値よりも1程度低くなるため、無駄な土壌改良資材を売りつけようとこの数値

を使う業者もあるようですので、注意してください。



通常、土の酸性を示す値は、まず水pH(ピーエイチ)のものと考えてください。