13.01.22
鈴鹿ポートリーの近藤です。
私は、採卵を業として営んでいるのですが、採卵の結果発生する副産物の有効利用にも積極的に取り組んできました。その中で農業の基盤である「土壌」の大切さや、「土壌」の奥深さも実感しています。
このたび、中部エコテックの川崎社長から、畜産の立場から「土壌」について話しをして欲しいとの依頼を受け、慣れない筆を進めてみました。
科学的な知見に基づかない部分もでてきますが、ご容赦いただき、何かの参考にしていただければ幸いです。これから、2年間、よろしくお願い致します。
農業技術の匠
近藤 博信
「百姓の腕」。栽培技術を身につけることができれば、大抵の作物は作れるはずだ!誰もがそう信じて疑いません。
しかし、長年耕種農家の方々とのお付き合いの中で、私は、一部の養液栽培を除き、農業の基盤は「土づくり」ではないかと考えるようになってきました。すなわち、どんな良い肥料や良い種子があっても、土壌そのものが良くなければ、おいしい米や野菜を作ることは決してできないのではないかと考えています。
では、いったい「土づくり」とはいかなるものなのでしょうか。
肥料や堆肥や土壌改良資材、最近では微生物資材を沢山撒くことが「土づくり」だと考えている方も少なくありません。一般的にはできる限り堆肥を沢山撒くことが「土づくり」と思われています。堆肥などの有機物を沢山撒くと、土壌の中にリン酸やカリウム(加里)が溜まって、土壌のバランスが崩れてしまうのです。堆肥には、窒素やリン酸やカリウム、その他の肥料成分が含まれていることを忘れてはいませんか。昔のような土壌が痩せている時代は良かったのでしょうが、現代農業においては、もはやこの定説は通用しません。
正しい「土づくり」のために必要な「土の」知識について理解を深めていただき、今後実行すべき「将来農業」とは何かを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。