匠の土づくり講座 2
13.02.13
連載 2「土の色々(いろいろ)」
私は、よく東京に出張する際、新幹線の窓から土の色を眺めることにしています。
するとおもしろいことにある日気づいたのです。
名古屋から東京に近づくにつれて、土の色が濃くなっていくことに。
つまり、黒い土が増えていくのがよくわかります。
土の色には黒、褐、黄、赤、灰、青、白の他、これらを組み合わせた色など、
それぞれの圃場によって顔色が異なります。
皆さんも実感していることとは思いますが、水田や湿地のように水分が多くなると灰色がかります。
また、水はけの悪い水田を掘り起こすと下のほうからきれいな青い土がでてくることがあります。
この青色は、酸素が少ない環境では安定した「鉄」の色だそうで、
堀上げて空気にさらすと褐色に変わってしまうのです。魔法のようですね。
関東の北のほうには、赤玉土などと呼ばれる赤い色をした土があります。
これは酸化鉄(さんかてつ)が主成分なので、レンガのような色をしています。
日本を代表する「黒い土」は肥えている(肥沃なので)から良い土だと考える人
も少なくありません。
しかし、それは間違った知識で黒い色の正体は、腐植(ふしょく)と呼ばれる土の中
の有機物であり、腐植が多くなるほど黒くなるようです。
この辺は、専門家ではないので、詳しいことはわかりませんが、いずれにしても、
さまざまな土の顔色は、主に腐植と鉄化合物の組み合わせによって決まっているのです。
色だけ見ても、土というものは色々(いろいろ)なものがあるようです。
詳しくは、農業環境技術研究所 土壌情報閲覧システムにて、農耕地土壌図と
土壌の種類毎の性質、作土層の理化学性を調べる事が出来ます
http://www.niaes.affrc.go.jp/techdoc/press/100413/press100413.html